地元ライター発信!壱岐旅ブログ
神々の島 壱岐ウルトラマラソンのコースを巡る
毎年10月中旬に開催される「神々の島 壱岐ウルトラマラソン」✨
RUNNETの調査によると、2023年のウルトラマラソンランキングで堂々の第3位にランクインしています。レビューによれば、壱岐ウルトラマラソンの魅力は、絶景のマラソンコースと神対応のおもてなしだと感じている人が多いそう・・・。
今回はそんな壱岐のウルトラマラソンコースを巡って、壱岐の魅力を再発見しました!
掲載日:2024年10月08日
ライター:壱岐旅編集部
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神々の島 壱岐ウルトラマラソン2024
「壱岐市が誇る歴史、文化、自然、パワースポット、グルメなど、多くの『しまの宝』を全国各地のウルトラマラソン愛好家に体感してもらい、広く壱岐市の魅力をアピールするとともに、市民一体のおもてなしによる新しい交流のストーリーを育み、壱岐市の観光振興・地域振興に寄与することを目的」として2016年に第1回大会が開催された「壱岐ウルトラマラソン」。
コロナ禍で2020年・2021年大会が中止となったものの、その絶大なる人気から復活後も多くの参加者を集めています。今年のエントリーは827人と、過去最多のエントリー数となりました。
Column
壱岐の島新春マラソン大会もチェック!
毎年、年明けに行われる「壱岐の島新春マラソン大会」。今年は 2025年1月12日(日)に開催されます。コースは、ハーフマラソンから1kmファミリーコースまで多様で、マラソン未経験者や子供でも参加しやすいのが特徴。今年のスペシャルゲストは、東国原英夫さん!
エントリー期間は2024年11月24日(日)まで。webサイトやお電話でお申し込みできます!
①スタート~猿岩
壱岐ウルトラマラソン100kmコースは、島を1周ぐるっとまわって壱岐を満喫できるコースになっています。そのスタート地点とゴール地点が、郷ノ浦町にある壱岐の島ホールです。
参加者は早朝4:30に壱岐の島ホールに集合し、5:00一斉にスタートします。
スタートして一番初めに通過する観光地が猿岩!
壱岐を代表する観光スポットで、自然によって造られた奇岩は「そっぽを向いたサル」にそっくりです!神話の舞台にもなっていて、かつて「生き島」とされていた壱岐島が流れてしまわないように神様が建てた「八本柱」の1つといわれています。
壱岐では有数の夕陽スポットとなっていますが、ウルトラマラソンで通過するのは早朝…
通過時間によっては、まだ薄暗い状態で猿岩を見られるかもしれません。
ぜひ後日、夕日をバックに佇む猿岩を見に来ていただきたいです。
猿岩を通過後出てくるのが、湯本温泉地区。
壱岐島北西岸の入り江にある、療養規定値約15倍の高濃度温泉が湧き出る温泉郷です。
源泉の数も多く13ヶ所。湯本地区には国民宿舎から旅館、湯治温泉など、14軒の多彩な温泉施設が揃っています。歴史は古く、神功皇后が三韓出兵の帰路に立ち寄った際に温泉を発見したと伝えられています。応神天皇の産湯に使わせたという伝説から、“子宝の湯“としても知られています。
温泉は鉄分が多く朱い色が特徴で、50度~70度のナトリウム塩化物泉。効能は神経痛、リュウマチ、外傷など湯冷めしにくく女性におすすめです!
コース上にあるため、マラソン中に「ちょっとひとっ風呂浴びていきますか」と言いたいところです。後日、マラソンの疲れを癒しに、ぜひ「ひとっ風呂」してください。
②勝本町(聖母宮~壱岐の土台石)
湯本温泉地区をぬけると、勝本町のまち並みが待っています。
はじめに通過するのが聖母宮(しょうもぐう)。
ここは、勝本町一帯を守護し、神功皇后を祀る創建1300年以上の歴史深い神社です。
「勝本」の地名は、もともと神功皇后が名付けた「風本(かざもと)」に由来しているといわれています。
また聖母宮手前には、神功皇后伝説の馬蹄石、文永の役元軍上陸の碑があります。表門とお社まわりに築かれている立派な石垣は、文禄の役時に加藤清正が寄進したもの。肥前鍋島直茂が裏門を寄進し、家紋が彫刻されています。境内には、パラオから寄進された巨大なシャコガイの手水鉢や、力比べができる力石があります。
毎年、ウルトラマラソンと同時期の10月10日~14日にかけて、
寛文5年(1665年)から現在まで約360年続くお祭り「聖母宮大祭」が執り行われます。
江戸時代には対馬、五島、平戸とともに古式捕鯨の中心地として栄え、鯨組(捕鯨を行う組織)による捕鯨が行われていた歴史がある勝本の町。
現在も鯨組にまつわる歴史遺産が多く残されています。そのひとつとしてあげられるのが、江戸時代や明治時代に建てられた、町家建築の数々です。
土肥家新宅跡や旧松本薬局、旧つたや旅館など、そこにいるとまるでタイムスリップしたような気持ちになります。
勝本のまち並みを抜け、停泊している漁船を横目に走っていると、
パァっと視界が開けて一面に見える海と地層!
壮大な自然を体全体で感じることができるのが、壱岐の土台石ゾーンです。
目の前にそびえ立つ壱岐の土台石は、壱岐島の基盤になっている断崖絶壁の勝本層のことを言います。
土台石は、およそ25,000万年前に海底で砂岩と泥岩(頁岩)が交互に堆積した層で、壱岐では一番古い地層。
大変もろく割れやすい特徴があり、周辺の地面には薄く層状に割れた多数の石が見られます。
海の向こうに見える赤茶の岬がコーゴ岬。
人によっては、寝ている恐竜に見えたり、ベーコンに見えたり?するそうです。
その先にある壱岐イルカパーク&リゾートでは、イルカたちと触れあったり、カフェでおいしいスイーツを楽しむことができます。
マラソン中も、走りながららのんびり気ままに過ごすイルカたちの様子が見れるかも?
ウルトラマラソンでは、串山キャンプ場が折り返し地点です。
③50kmコース スタート!
50kmコースのスタート地点である壱岐島開発総合センターは、100kmコースのレストステーションにもなっています。
バナナやオレンジ、レモンをはじめとする軽食はもちろん、カレーや壱岐産米おにぎり、みそ汁などの昼食も用意されています。
その後のランでエネルギー不足を起こさないように、美味しいものをたくさん食べて、持久性パフォーマンスを高めてください。
④芦辺町(清石浜~小島神社)
北東の風が吹くと、芦辺の町はランナーにとって少々苦しいポイントになるかもしれません。
清石浜や左京鼻は、見晴らしがとてもよく、気持ちのいい観光スポットですが、風が強い場所です。
“海女の里“として知られる八幡浦の海中に祀られている「はらほげ地蔵」。コースの途中にその目の前を通るものの、少しわかりにくい位置にあるために気付かずに過ぎていく人が多いそうです。最近は、八幡町づくり協議会作成の顔はめパネルが設置されているのでわかりやすいかもしれません。
マラソン途中に記念撮影はどうですか?
Column
はらほげ定食
ランチにどう?うにめし食堂はらほげ
はらほげ地蔵のすぐ近くにあるのが、うにめし食堂はらほげ!
地元海女、漁師さんが玄界灘で採取した新鮮魚貝類をいただけます。先代店主からレシピを引き継いだ名物の「うにめし」や「生うに丼」をはじめとしたメニューが人気です。
天候や時期によって、生うにの提供ができない場合があります。事前にお電話でお問い合わせいただくことをおすすめします。
普段は海に浮かぶ島にある小島神社は、ウルトラマラソンのコース上から見ることができる、人気の記念撮影スポット!
干潮前後の数時間だけ海から参道が現れ、歩いて参拝することができる神秘的な神社です。太陽と月の引力によって神様に会える神秘のパワースポットで、「壱岐のモンサンミッシェル」と呼ばれることも…。自然が創り出す神秘的な砂浜の参道写真が撮影できる場所として、毎年たくさんの観光客が訪れています。2015年には神社がある内海湾(うちめわん)が『国境の島 壱岐・対馬・五島~古代からの架け橋~』の構成要素として日本遺産に認定されています。記念に1枚パシャリとどうですか?
⑤石田町(イルカ供養碑~白沙八幡鳥居)
歴代ランナーに人気のスポットのひとつとして紹介したいのが、イルカ供養碑付近の坂!
木々の中を抜けると一面に広がる海景色を目の当たりにします。
100kmコースも50kmコースも後半戦、美しい景色が疲れを少し吹き飛ばしてくれるのでは?
Column
イルカ供養碑
塩津浜では、1986年9月に二百数十頭のイルカの大群が迷い込み、うち約半数の128頭が浜に打ち上げられ息絶えてしまいました。
この砂浜に沿った道は「イルカの涙道」と名付けられ、その中央に供養碑が建てられています。
筒城浜キャンプ場の手前にある、白沙八幡神社の大鳥居。
鳥居の神額の左右には、八幡神のつかいである鳩が鎮座しています。
壱岐七社のひとつで、鬱蒼とした神社の森は、県指定の天然記念物です。
近くにある筒城浜海水浴場は、壱岐島随一の美しさを誇る天然の白砂ビーチで「日本の快水浴場100選」「日本の渚100選」に選ばれています。
⑦最後の地獄坂
壱岐ウルトラマラソンの特徴のひとつが、終盤に5kmほど続く坂道です。久喜のバス停あたりを走っていると、突如「壁」のような急な坂が立ちはだかります。普段車移動ばかりで気が付きませんでしたが、坂を目の前に立つと本当に「壁」に見えます。
最後の最後に険しい坂、己との戦いになりそうです。坂道は木々に囲まれた自然あふれるコースですが、実はすぐ近くに岳の辻展望台があります。岳の辻は標高212.8mで、壱岐島の最高峰となります。
島を見渡せる絶景スポットで、晴れた日には九州や対馬などの雄大な景色が一望できます。夜には満天の星空が広がり、街の明かりと一体になった美しい光景に惚れ惚れしますよ!
地獄坂を通過後、ゴール目前で出てくるのが郷ノ浦のシンボル!
映画「奈緒子」にも登場した、郷ノ浦大橋✨
タイミングが合えば、夕日をバックに郷ノ浦大橋を走ることができるかもしれません。
Column
映画「奈緒子」
200万部を突破したベストセラーコミックの映画化で、2006年に公開。
舞台の波切島は壱岐市をモデルとしています。作品の中でも、郷ノ浦大橋はフェリーで入港する際に非常に目立つ大きな橋です。
エイド情報
壱岐ウルトラマラソンの醍醐味でもある、島民の応援ですが、それが集結しているのが各エイド!地元の高校生やボランティアスタッフ、近所に住む島民が、ランナーを励まし、元気づけてくれます。簡易のものも合わせると、全部で31か所の給水ポイント・エイドステーションが設置されます。
場所にもよりますが、水やスポーツドリンクをはじめ、バナナ、オレンジ、レモン、梅干し、黒砂糖、干しブドウ、ミニトマト、ゼリー、塩、おにぎり、みそ汁、ソーメン、手作りパン、アイシングに被り水など、様々なものが用意されています。
水分補給と栄養補給、そして元気の補給をしてください。
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壱岐水産のうにめしの素
壱岐水産のうにめしおにぎり
芦辺町にある(平和橋近くの)壱岐水産前に設置されている私設エイドでは、壱岐の名産うにめしのおにぎりを味わうことができます。壱岐水産のうにめしの素は、島内のお土産屋さんでお買い求めいただけます。
壱岐水産
壱岐ウルトラマラソンでは、大会翌日に各港で参加者のお見送りを行っています。
島外からはるばる参加してくれたみなさんに、心を込めて、
「またこんね!まっちょるけんね~!」
これもまた、大会リピーターの方たちの語る、壱岐ウルトラマラソンの魅力のひとつです。
ウルトラマラソンに参加される方も参加されない方も、
秋の過ごしやすい時期に、
島を一周して、壱岐の魅力を存分に感じてください。