島民も大好きな島の味!
昔から愛され続ける壱州豆腐
壱岐に古くから伝わる壱州豆腐。島民に愛され続け、壱岐の食卓でも定番となっています。島内の豆腐屋さんを訪ねて、壱州豆腐のつくり方や、オススメのおいしい食べ方を伺いました!
壱州豆腐(いしゅうどうふ)って?
島の人たちの生活と切っても切れない、特別な思い入れがある『壱州豆腐』。
調理方法によって使う豆腐を選んだりと、様々な家庭料理に使用されています。食卓に並べられるだけでなく、慶弔行事においても使用されており、島民の食生活にとってかかせない存在です。
現在、島内にある豆腐屋さんは5軒ほど。お気に入りの店舗がある島民も多くいます。
壱州豆腐の特徴として、まず驚くのがその大きさ!1丁が約10センチ四方で、重さは約1キログラムと、一般的にお店で売られている豆腐と比べると2~3倍近い大きさがあります。使用している大豆の量が多いため、大豆本来の味が濃く、甘みが強い点も特徴です。
次に固さ!昔は豆腐屋さんから豆腐を持って帰る時には、縄を十字にかけて持って帰っていたと言われるほどです。
ほとんどの壱州豆腐は木綿豆腐ですが、火を入れることで固さが変わります。冷奴なら本来の固さを楽しめ、食べ応え十分!また、湯豆腐にするとフワフワと柔らかい食感が楽しめます。
伝統の製法でこだわりの豆腐を作り続ける「中村たんぱく」
豆腐を作り続けて三十年以上、中村たんぱく2代目の中村勝さんに製造方法やおすすめの食べ方を伺いました。
厳選した材料と製法でこだわりの『壱州豆腐』を作られています。また、毎年熊本でおこなわれている豆腐の品評会にも出品されており、更なる美味しい豆腐を作ることに日々取り組まれています。
「壱州豆腐」の製造工程
安全とおいしさから、原料の大豆はこだわりの国産大豆を使用しており深夜から早朝にかけて、毎日作られています。冬は、ご家庭や島内の旅館などで鍋料理にたくさんの豆腐が使われるため、生産量が多くなるそうです。
~製造工程~
①100キロ~200キロ程度の大豆を洗って一晩水に浸けておきます。季節によってつける時間は調整しますが、夏は8時間前後、春・秋は15時間、冬でおよそ20時間。
②2~3倍に膨らんだ大豆をすり潰し、汲み置きしておいた水を加えて火にかけます。十分に加熱したら搾り機にかけ豆乳を搾り出し、豆乳とおからに分離させます。
③ここからが豆腐作りのポイント、にがり入れ!
天然の海水にがりを入れ、木へらで攪拌(かくはん)します。季節や豆乳の量によってにがりの量や、混ぜる回数を加減したり、豆乳の状態をよく見ながら調整していきます。この時のにがりの塩分も壱州豆腐のおいしさのポイントです。
ちなみに、この状態ですくいとった豆腐が寄せ豆腐(おぼろ豆腐)です。
また、ざる豆腐とはこの状態の豆腐をザルに小分けして水切りしたものです。
④程よく凝固したら、木綿布を敷いた箱にやわらかい状態の豆腐を移し、加圧機で水切りをします。水切りが終わると、水を張った大きめのシンクに移して、一丁一丁切り分け木綿豆腐の完成です。
豆腐屋さんに聞く、壱州豆腐のおいしい食べ方三選!
①購入した豆腐をレンジで中までしっかり温めると出来立ての味や風味に戻るので、お好みの薬味とともに!!
②湯豆腐をするときに昆布だけでなく塩を少し入れると、煮崩れせず柔らかくなって美味しい!!
③自宅で揚げた、揚げたてサクサク「手作り厚揚げ」!!
島の味、壱州豆腐を堪能
島内の飲食店では、壱州豆腐が食べられるお店がたくさん!
定番の冷奴や揚げ出し豆腐、冬の時期には湯豆腐やお鍋の具など…。さまざまな料理で壱州豆腐を味わえます。
またスーパーや直売所では見慣れたパックに入ったものから、ビニール袋に入ったものなどさまざまな豆腐が並べられています。豊富な種類の中からお気に入りを購入する、島民の食生活を垣間見ることができます。
また壱州豆腐はふるさと納税でも人気商品だそうです。
自分で作った豆腐はまた格別!!『壱州豆腐つくり体験』
郷土料理の伝承、農産加工品の生産など幅広い活動を行っている「壱岐地区生活研究グループ連絡会」
壱岐島内では、「壱岐地区生活研究グループ連絡会」主催の『壱州豆腐つくり』を体験することができます。
また、壱州豆腐を使った『およごし作り体験』や、郷土料理『ひきとおし調理体験』も行われています。壱岐の家庭料理を知り尽くした女性たちが調理のコツから味の決め手までレクチャーしてくれるので、壱岐料理のレパートリーが増えること間違いなし!是非、壱岐の味を覚えて帰ってご家庭での定番メニューにされてください。